溺甘副社長にひとり占めされてます。

考えたら、考えるほど、どのジュースも手にするのが恐ろしくなってきてしまい、まるで助けでも求めるかのように、つい白濱副社長へと顔を向けてしまった。

彼の目の前には、宍戸さんのお父さんだという宍戸宝飾店の社長がいた。

その後ろには、にこにこと嬉しそうに白濱副社長を見つめる宍戸さん本人と、彼女と同じような笑みを浮かべるふたりの女性がいた。

友人なのだろう、時折、三人で楽しそうに言葉を交わしている。

そういえば、宍戸さんは白濱副社長に、今日のパーティの手伝いを申し出ていた。

人手が足りていたのか、声はかからなかったみたいだけれど、結局、彼女はこうしてお父さんについてきて来ている。

どうしても白濱副社長に会いたかったのだろう。自分を見てもらいたかったのだろう。ドレスもメイクも、全てに気合が入っているように思える。

友人たちのドレスはグレーで控えめな印象を抱くからか、宍戸さんのワインレッド色のドレスがとても目立っている。

だから余計に、彼女が自信に満ち溢れ、とってもキラキラしている女性に見える。

気落ちしそうになり、私はぶるぶると首を横に振った。

私だって、彼への強い気持ちはこの胸の中にある。彼女に負けてないって思いたい。気持ちまで自信を失うわけにはいかない。

不意を衝くように、彼が私へと身体を向けた。同時に宍戸社長や宍戸さんたちの視線まで私に向けられ、ドキリとしてしまう。


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