溺甘副社長にひとり占めされてます。
野村さんの悲しそうな顔を見ていられなくなって、私は大きく首を振った。
「……諦めないで欲しいな。村野さんが諦めずに、一歩一歩前に進んでたら、いつか絶対、道は開けると思うから。応援してる。頑張って」
理由を知れば、彼女が思う道に進めるよう応援したくなってくる。
思いのまま言葉にすれば、村野さんがニコリと笑った。
「嬉しい。そう言ってくれるの館下さんが二人目です。父も母もわがまま言うなって怒るのに、和臣さんは私の味方になってくれてて。そっちに異動できるように、辛抱強くおじさんに掛け合ってくれてるんです」
村野さんはドレスを二着手に取り、私へと歩み寄ってきた。
「私も和臣さんと館下さんの恋を応援したい」
「ありがとう、村野さん」
「リクエストはありますか? 色とか、髪型とか」
私は慌てて、自分が履いているパンプスを指さした。
「この靴に似合うものを……それと、ジュースをこぼされても、目立たないやつ!」
「なんてね」と笑って追加すれば、村野さんも「負けず嫌いですね」とまた笑う。
「……それだったら、これはどうですか?」
「私、着れるかな」
「着れますよ。背丈も私と変わらないし。体型は私より細いし」