溺甘副社長にひとり占めされてます。
「でももう大丈夫です。今日が終わる前に、和臣さんは戻って来てくれました。またこうして触れ合うことができたから、不安なんて吹き飛びました」
体を離すと、苦笑いする彼の顔が見えた。
「今日が終わる前に、か。もしかして美麗ちゃん、ネットニュース見た?」
言われドキリとする。
「……同僚に教えてもらって、見ました」
ソファーでぼんやりスマホを見ていた時、総務課の同僚から今日のパーティのことがネットニュースに出てるよと連絡が来たのだ。
そこには、イケメン副社長を虜にした現代のシンデレラと、私のことも書かれていて……。
「でも私は、シンデレラにもなれていないです。和臣さんが傍にいないと、すぐに魔法が解けちゃうから。十二時まで持ちません」
ドレスも靴も消えずに手元にあると言うのに、不安になってしまっていたのだ。
彼はちょっぴり目を大きくさせた後、私を引き寄せ、またを腕の中に閉じ込めた。
「魔法、まったく解けていないから、安心しちゃった」
くすくす笑い出した彼をじろりと見れば、彼が私の頭を撫で始める。
「むしろさっきよりも、魅力がアップしてるよ?」
「からかわないでください! もうすっかりいつも通りの自分なのに」
化粧だって落としてしまっているし、身に着けているのも、いつものパジャマだ。
ドレスを着たときの自分を今の自分が勝ってるなんて、とても思えない。
顔をしかめれば、彼は「分かってないな」と微笑みかけてくる。