嘘をつく唇に優しいキスを~諦めた恋が動き出すとき~
「でしょ? やっぱり私がいないと盛り上がらない感じだよね」
「調子に乗んな」
わざとおどけて見せると、新庄くんは笑いながら私の肩を軽く小突く。
「じゃ、外回り行ってくるわ」
「うん。いってらっしゃい」
新庄くんが去っていく後ろ姿を見送りながら、小さく息を吐いた。
好きな人の前では素直になれない。
つい、冗談を言ったりおどけたりしまう。
自分でもなにやってるんだろうと思うことがある。
けれど、私が素直になったところで、なにも変わらない。
新庄くんには、学生時代から付き合っている彼女がいるからだ。
新入社員歓迎会のとき、新庄くんは先輩たちに彼女の有無を聞かれて『いる』と答えた。
それを聞いた瞬間、食べていたものが喉に詰まりそうになった。
勝手に彼女はいないんじゃないかと思い込んでいたからだ。
仕事で話す機会が増えるたび、優しく声をかけてくれるたび、もしかしたら、いつか自分にも可能性があるんじゃないかと、淡い期待を抱いていた。
だからこそ、新庄くんの一言は想像以上に胸に刺さった。
結局、私は勝手に期待して、勝手に傷ついただけ。
私の恋心はあっけなく行き場を失い、数日間は落ち込む日々が続いた。
「調子に乗んな」
わざとおどけて見せると、新庄くんは笑いながら私の肩を軽く小突く。
「じゃ、外回り行ってくるわ」
「うん。いってらっしゃい」
新庄くんが去っていく後ろ姿を見送りながら、小さく息を吐いた。
好きな人の前では素直になれない。
つい、冗談を言ったりおどけたりしまう。
自分でもなにやってるんだろうと思うことがある。
けれど、私が素直になったところで、なにも変わらない。
新庄くんには、学生時代から付き合っている彼女がいるからだ。
新入社員歓迎会のとき、新庄くんは先輩たちに彼女の有無を聞かれて『いる』と答えた。
それを聞いた瞬間、食べていたものが喉に詰まりそうになった。
勝手に彼女はいないんじゃないかと思い込んでいたからだ。
仕事で話す機会が増えるたび、優しく声をかけてくれるたび、もしかしたら、いつか自分にも可能性があるんじゃないかと、淡い期待を抱いていた。
だからこそ、新庄くんの一言は想像以上に胸に刺さった。
結局、私は勝手に期待して、勝手に傷ついただけ。
私の恋心はあっけなく行き場を失い、数日間は落ち込む日々が続いた。