嘘をつく唇に優しいキスを~諦めた恋が動き出すとき~
♢♢♢
「麻里奈、送っていこうか?」
居酒屋を出たところで、北見さんが声をかけてきた。
店の前には、まだ何人かの社員が残っている。
男性陣は、二次会の場所を相談しながら駅とは反対方向に歩き出していた。
その流れをぼんやりと見ながら、小さく息を吐く。
勢いに任せてビールを飲んだせいか、少し頭がフワフワしている。
頬も熱を持っていて、火照った肌に生ぬるい夜風が当たる。
「いえ、電車で帰るので大丈夫ですよ」
時計を見ると、二十一時半過ぎ。
電車はまだたくさんあるし、駅まで歩ける距離だから、北見さんに送ってもらうほどではない。
「でも、駅まで行くのは麻里奈ひとりだけでしょ」
北見さんが気遣うように私を見る。
女性陣は主婦が多いこともあり、一次会で帰る人がほとんどだ。
旦那さんや家族が車で迎えに来てくれていた。
「駅までは十分もかからないので、大丈夫ですよ」
駅の方向へ視線を向けたとき、店の前の車道に一台の車が停まった。
あれは、北見さんの旦那さんの車だ。
何度か写真を見せてもらったことがあるから、間違いない。
「北見さん、旦那さんが来られましたよ」
「えっ、ホントだ」
「それじゃあ、私はここで。お疲れさまでした」
軽く頭を下げて、その場から離れようとしたら北見さんに呼び止められた。
「麻里奈、送っていこうか?」
居酒屋を出たところで、北見さんが声をかけてきた。
店の前には、まだ何人かの社員が残っている。
男性陣は、二次会の場所を相談しながら駅とは反対方向に歩き出していた。
その流れをぼんやりと見ながら、小さく息を吐く。
勢いに任せてビールを飲んだせいか、少し頭がフワフワしている。
頬も熱を持っていて、火照った肌に生ぬるい夜風が当たる。
「いえ、電車で帰るので大丈夫ですよ」
時計を見ると、二十一時半過ぎ。
電車はまだたくさんあるし、駅まで歩ける距離だから、北見さんに送ってもらうほどではない。
「でも、駅まで行くのは麻里奈ひとりだけでしょ」
北見さんが気遣うように私を見る。
女性陣は主婦が多いこともあり、一次会で帰る人がほとんどだ。
旦那さんや家族が車で迎えに来てくれていた。
「駅までは十分もかからないので、大丈夫ですよ」
駅の方向へ視線を向けたとき、店の前の車道に一台の車が停まった。
あれは、北見さんの旦那さんの車だ。
何度か写真を見せてもらったことがあるから、間違いない。
「北見さん、旦那さんが来られましたよ」
「えっ、ホントだ」
「それじゃあ、私はここで。お疲れさまでした」
軽く頭を下げて、その場から離れようとしたら北見さんに呼び止められた。