嘘をつく唇に優しいキスを~諦めた恋が動き出すとき~
小学生の頃は虫歯の治療で、よく歯医者に通っていた。
けれど、高校生になってからは、幸いなことに歯医者とは無縁の生活を送っていた。
それだけに、十数年ぶりの通院は憂鬱でたまらない。
「桜井さーん」
受付に呼ばれ、ソファから立ち上がった。
支払いを済ませると、受付の女性が尋ねてくる。
「次回のご予約はどうしますか?」
「じゃあ、来週の土曜の同じ時間は空いてますか?」
スマホのカレンダーアプリを開き、予定を確認しながら答える。
「土曜の十四時ですね。少々、お待ちください」
受付の女性がパソコン画面に視線を移す。
「はい、大丈夫です。では、十七日の土曜、十四時に予約をお取りしますね」
予約日時が記入された診察カードを受け取り、財布にしまう。
「あー、定期健診のつもりだったのに、虫歯とかついてないんだけど」
思わず愚痴がこぼれた。
スイーツ巡りが好きで、甘いものはよく食べる。
だからこそ、虫歯には気をつけていたつもりだった。
「ふふ、でも虫歯が見つかってよかったじゃない。悪化する前に治療ができるんだから。何事も早めがいいでしょ」
笑いながらフランクに話す女性。
彼女はこの歯科医院の受付、いとこの新藤唯香だ。
ひとりっ子の私は、幼い頃から彼女を本当に姉のように慕っていた。
親戚が集まると、必ず唯香ちゃんの隣をキープしていたほどだ。
けれど、高校生になってからは、幸いなことに歯医者とは無縁の生活を送っていた。
それだけに、十数年ぶりの通院は憂鬱でたまらない。
「桜井さーん」
受付に呼ばれ、ソファから立ち上がった。
支払いを済ませると、受付の女性が尋ねてくる。
「次回のご予約はどうしますか?」
「じゃあ、来週の土曜の同じ時間は空いてますか?」
スマホのカレンダーアプリを開き、予定を確認しながら答える。
「土曜の十四時ですね。少々、お待ちください」
受付の女性がパソコン画面に視線を移す。
「はい、大丈夫です。では、十七日の土曜、十四時に予約をお取りしますね」
予約日時が記入された診察カードを受け取り、財布にしまう。
「あー、定期健診のつもりだったのに、虫歯とかついてないんだけど」
思わず愚痴がこぼれた。
スイーツ巡りが好きで、甘いものはよく食べる。
だからこそ、虫歯には気をつけていたつもりだった。
「ふふ、でも虫歯が見つかってよかったじゃない。悪化する前に治療ができるんだから。何事も早めがいいでしょ」
笑いながらフランクに話す女性。
彼女はこの歯科医院の受付、いとこの新藤唯香だ。
ひとりっ子の私は、幼い頃から彼女を本当に姉のように慕っていた。
親戚が集まると、必ず唯香ちゃんの隣をキープしていたほどだ。