嘘をつく唇に優しいキスを~諦めた恋が動き出すとき~

イベント当日。
準備があるので、いつもより早起きして家を出た。

玄関を開けて外に出ると、秋の空気が頬を撫でる。
見上げると、淡い青空が広がっていた。
今日は天候にも恵まれ、イベント日和だ。

会社に着くと、薄手のカットソーに動きやすいパンツという服装の上に、青色の法被を羽織った。
鏡の前で見たときは、見慣れない姿に照れくさかったけど、周りの人みんなが同じ法被を着ていることもあり、あまり気にならなくなっていた。

朝から会社の中庭にテントを張ったり、テーブルや物販の為の園芸用品を運んだり準備に追われている。

私も手に軍手をはめ、植木鉢を所定の位置まで運んでいく。
大小さまざまな植木鉢があり、中には花が植えられ、土もしっかり入っている。
これが思った以上に重く、足元に気をつけながら運ぶ。
普段、こんなに重たいものを持つことがないので、私にとっては重労働だ。
何個か運んだだけで、腕が痛い気がする。
これは明日、絶対に筋肉痛になるだろう。

ようやく、最後の植木鉢を運び終えて軍手を外す。
ホッと息を吐きながら手を洗った。

次は、自分のブースの準備だ。

テントの下へ移動すると、用意していた風船とハンドポンプを段ボールの中から取り出した。
私はハンドポンプを握り、空気を入れていく。
長細い風船を膨らまし、形を作っていった。

あれから練習してかなり上手になったと思う。
最初の頃に比べて、風船を割らずに扱えるようになったし、手際もよくなった気がする。
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