嘘をつく唇に優しいキスを~諦めた恋が動き出すとき~

本当は、子どもたちからリクエストを言ってもらい、その場で作ってあげたかった。
だけど、もし難しいものを言われたとき『できません』と断ることになってしまうかもしれない。
そこで、町田さんたちと相談して、あらかじめ作れるものを決めておこうという話になったんだ。

私は手先が器用ではないので、何度も練習してようやく形にできるようになったのが、犬と剣だった。
だから今回は、剣か犬のどちらかを選んでもらうことにした。

子どもたちが一気に来ることを考えて、いくつか作っておく必要がある。
完成したものは、ケースの中にそっと入れていく。

今作り置きしている分だけでは、きっと足りなくなるだろう。
その場合は、その場で作って渡すことになる。

『バルーンアートは数量限定だし、子どもたちが殺到するよ』

町田さんがそう言っていた。
こればっかりは、実際にイベントが始まらないと人の流れは分からない。
とにかく、慌てず落ち着いて頑張ろう。

ほかにも、プラスチックの棒をつけた、飛ばない風船を用意した。
風船を膨らまし、白い発泡スチロールの台に一本ずつ刺していく。
赤、青、黄、緑、ピンクなど。
色とりどりの風船が並び、ブースが華やかになった。

これで準備は完了だ。
使った道具をテーブルの端に寄せ、ブースの周辺に余計なものがないかを確認する。
あとは、着てくれる人を待つだけだ。

少し緊張しながら、イベントが始まるのを待っていた。
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