笑顔をくれた駅員さん
昼休み。
「ねぇねぇ、奏斗くん!放課後って暇?」
いつもの2割増しトーンで南原さんが奏斗くんに話しかけた。
そのかん高い声はいつも以上に私をイライラさせた。
「おー、暇だけど、どうした?」
「ちょっと話したいことがあってね!」
南原さんは私の方をチラッと見てから言った。
「りょーかーい」
奏斗くんは返事をしてそのまま机に顔を伏せて寝てしまった。
南原さんの方を見ると、私の方が優勢だからね、と言わんばかりの勝ち誇った顔をしてこっちを見ていた。
別に私は奏斗くんに対して恋愛感情はないのに…
なんで私はこんなライバル視されなくちゃいけないの?
奏斗くんと話すから?
そんなのクラスメートみんなが奏斗くんと話すじゃない。
また私の心に黒いドロドロした感情が流れ込んできた。