御曹司と恋のかけひき

20話

月曜日、買ってもらった新しいスーツに身を包む、
鞄は1万で買ったブリーフケースではなく、本革のメーカー品である。

今までとの違いに、戸惑うものの、せっかく用意してもらった物であり、
文句をいうのも申し訳なく、使わせてもらう。

出社は、さすがに電車で行くと言ったが、
アパートを荒らした犯人も分からず、何かあったら亡くなった
両親に申し訳ないとお父さんに言われ、
逆らえず、お手伝いさんに送ってもらう事になった。

ちなみに、藤沢家に来た時から、お父さん、お母さんと
呼んで欲しいと言われており。
恋人という立場上、両親をがっかりさせたくないという気持ちもあり、
逆らわすにいる。

そういえは、どうして直哉さんは15人の彼女と別れたんだろう、
優しくて、かっこよくて、両親も素敵だし、思い当たる所がない。

返事を全く期待しないながらも、京子さんに、この内容をラインにいれてみた。

職場では、服装の違いに、少し視線を感じながらも、
相変わらず、余計な雑談などなく、ピリリとした空気の中、仕事に打ち込んだ。

総合職で、仕事は厳しく、集中力を必要とされるが、
逆に長時間労働は効率が落ちるという考えから、
帰宅時間は一般職と変わらない。

ただ、勤務時間だけでは勉強や情報収集が間に合わず、
帰宅後も、仕事の時間に充てるのは、いつもの事だった。

帰宅後、直哉さんは仕事関係の人との食事の為、一人で食べて、
情報収集の為、英語で書かれた新聞を読んでいた。

すると、京子さんからラインが入ってきた。

『直哉さんは、自分の思い通りにする所があるから、
そこが気にならないなら、やっぱり相性いいんじゃないかしら』

との事。

強引にネックレス買ったとことか?

でも、確かに高額すぎてびっくりしたけど、
プレゼントされたら普通嬉しいだろうし。

やっぱりよくわからないままだった。
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