御曹司と恋のかけひき

7話

週末はデートをするというのがお約束になり、もう5回ほど出かけている。

平日ランチに誘われた事もあったが、いつものパターンを崩す事なく断り、
周りからはもったいないと言われていた。

「そんなので、恋失っても知らないわよ」

「恋を失っても、仕事は失いたくありませんから」

笑顔で答えると、先輩はやれやれと席に戻っていった。


仕事に関しては順調で、自分の好調さに少しびっくりするぐらいだった、
恋人ができると仕事がおろそかになる人もいるが、
週末でかけるという目的ができたせいか、集中力が上がっている気がする。

藤沢さんのおかげで、東京をあちこち見て回る事ができ、
昭和レトロな街並みから、高層ビルの密集地まで、様々な風景を楽しめ、
デートがすごく楽しみになっていた。

デートで食事した店を聞かれ答えると、驚かれ、流石御曹司と返ってくるが、
私自身は全く分からず、調べる事もしていなかった。

ただ、連れて行ってくれる店が、全て美味しい店の為、
好きな味が同じである事が嬉しく、それで十分だと感じていた。
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