好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


怒っているようでは……ない? 


触れる場所からは少しも真紅を離したくないというように、強さを感じる。


そして、触れ方は優しい。
 

何度交わしたかわからないくらい、真紅の思考の全部が黎に埋め尽くされた頃、唇を離した黎は真紅の肩に額を当てた。


「無理。日に一度も真紅に逢えないとか。真紅はそれを簡単に受け容れるとか」


「え……簡単じゃ、ないよ?」


「簡単だろ。さっき、すぐ肯いた」


「だって……学校のことでしょ? やらなきゃいけないことだよ。私の我儘で覆ることじゃない」


「覆らなくても。……いい、ごめん、何言ってんだろな」

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