好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「黎さんにちょっと嫉妬してるのはあります。あたしの中も今アンバランスなんですけど、でも、よかったーって、思ってるのが一番強いかもです」
「……梨実さんは、」
ふと、澪が目元を和ませた。
「いい友達を持ったんだね」
「――、はいっ。澪さんも、ですね」
「俺?」
「黎さん。色々言っても仲良しじゃないですか」
「そうかなー?」
澪と話しているうちに、海雨の母がやってきた。
「あら、澪くんこんにちは」
着替えの詰まったカバンを持った母に譲るように、澪が椅子を立った。