好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「こんにちは。いつもありがとうございます」


「こちらこそ。お世話になってます。お話相手してくれたのね」


「うん。澪さんに勉強も教えてもらってる」


「本当に、ありがとうね。あ、真紅ちゃんから今日こっち来るってメッセージあったんだけど、まだ来てないのね」


「真紅さんなら黎が連れて行っちゃいました」


「……黎くん? なんで?」
 

海雨はしまったと背筋が冷えた。


真紅と黎が付き合っていること、母には言っていない。
 

海雨が止める前に、澪が言ってしまった。


「黎、真紅さんと付き合ってますから」


「み、澪さんっ」


「あいつらの場合、こうやって周りから固めるのも手だから」


「そ、そうではなくて~」
 

慌てる海雨に、瞳をギラッとさせている母が見えた。

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