好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「あの、黎?」
「うん?」
ふと、黎が真紅を見てくる。その瞳は、やはり黒い。
「今日……本当に忙しいとかなかった? ママが無理に呼んだみたいだし……」
真紅がずっと気にかかっていることを問うと、黎は唇の端を歪めた。
「紅亜様には少し前に言われてたから、ちゃんと時間はある。それに、自分の彼女と一緒の貴重な時間だぞ? ほかに大事なもんがあるわけない」
「……………――――!」
黎の言葉がだんだん頭が理解して、真紅は一気に顔を紅く染めた。か、彼女……。