好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「真紅、どこか行きたいところあるか?」
「えっ……と、……」
急に言われて、すぐには思いつかなかった。
黎と二人きりなんて、想像の先すぎて。
「えーと……」
真紅が唸っていると、黎はその様子を見てくすりと笑った。
「急でびっくりだよな。どこか入って、それから考えるか?」
「う、うんっ」
黎の提案に、真紅は大きく肯いた。
駅前の通りにある喫茶店に入ることにした。
「真紅はいつもは……そう言えば、鳥はいつも一緒なのか?」
窓際の席に向かい合って座ると、黎が真紅の肩口を見ながら言った。