キミへ告げる想ひ

「青井さんって、性同一性障害なんですよね?」


彼女はそう言った。


声が出なかった。


「私、伯父が医者をやってていろいろ教えてもらっていたんです。


なので、青井さんの行動がちょっと気になったので調べてみたんです。


そしたら、その説が浮上したというわけです。


安心してください、


このことは誰にも言いませんから」


「やっぱり世の中には見抜ける人がいるんだね。


倉橋さん、このことは絶対に誰にも言わないで下さい。


コトハです。


琴に葉っぱで琴葉って言います」


桂碁がそう言うと、彼女は少し笑った。


「ありがとうございます。

ライブ、川崎の友達と見に行きます。

頑張ってね、桂碁君」


倉橋瑞樹さんはそう言って帰っていった。
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