キミへ告げる想ひ
03-バース・デイ

1,

三週間後の放課後、久しぶりに一時間ほど

自習して帰ろうとしてたら、

ふと、桂碁の名前を呼ぶ声がした。

坂月冬実さんだった。

「青井君、ちょっと話があるんだけど今時間大丈夫?」

「うん、平気だけど…何の話?」

「三組来ればわかるよ。

でもちょっと先に行ってて。

私、荷物まとめてから行くから」

坂月冬実さんとは今初めて会話したが、

その初めてが『話がしたい』というのが何よりの驚きだった。

実をいうと文化祭のときに坂月さんと話したのは、愛斗だけだった。

坂月さんはすぐに追いつき、そして先に三組の方へ行ってしまった。

さらに坂月さんは中へ声を掛けていた。

どうやら桂碁に話があるのは彼女だけじゃないようだった。

桂碁が教室に入ると、中にいたのは一―三の女子七人だけだった。                            
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