愛し紅蓮の瞳
***
東洲の深森。
ここは、やっぱり私の住んでいた日本の極寒の地とは全然違う。
あれから、何度も窓の外を見ては綺麗な山の紅葉や、池を泳ぐ鯉、香る金木犀の匂いに、やっぱりここは私の知らない、東洲の深森と言う場所なんだと自分に言い聞かせた。
空気が良く澄んでいて、やけに空が近くに感じる。
「よく似合う」
「こ、こんなに綺麗な着物……」
「もう私には着れないから、もったいないと思ってたのよ。ちょうど良かった」
楓さんが私に着せてくれたのは、青地に細かな格子柄の入った少しモダンな小紋で、様々な色の楓、ねじり菊などが秋らしくてとても可愛い。
赤い半衿には同じく楓の刺繍が施されていて、「刺繍半衿って言うのよ」と楓さんが教えてくれた。
「わ、可愛い……」
「そうでしょう?これも羽織って、ほら」
そう言って楓さんが広げたのは、ピンク地に赤や黄色の花が咲き誇るとっても可愛い羽織だった。
こんな感じの羽織を、おばあちゃんも良く着てたっけ。
腕を広げる私に、楓さんは楽しそうに羽織を通してくれる。着物なんて着るのは七五三ぶりかもしれない。心なしか私もワクワクしてる。
異世界ワープしてるってのに、呑気だな。
東洲の深森。
ここは、やっぱり私の住んでいた日本の極寒の地とは全然違う。
あれから、何度も窓の外を見ては綺麗な山の紅葉や、池を泳ぐ鯉、香る金木犀の匂いに、やっぱりここは私の知らない、東洲の深森と言う場所なんだと自分に言い聞かせた。
空気が良く澄んでいて、やけに空が近くに感じる。
「よく似合う」
「こ、こんなに綺麗な着物……」
「もう私には着れないから、もったいないと思ってたのよ。ちょうど良かった」
楓さんが私に着せてくれたのは、青地に細かな格子柄の入った少しモダンな小紋で、様々な色の楓、ねじり菊などが秋らしくてとても可愛い。
赤い半衿には同じく楓の刺繍が施されていて、「刺繍半衿って言うのよ」と楓さんが教えてくれた。
「わ、可愛い……」
「そうでしょう?これも羽織って、ほら」
そう言って楓さんが広げたのは、ピンク地に赤や黄色の花が咲き誇るとっても可愛い羽織だった。
こんな感じの羽織を、おばあちゃんも良く着てたっけ。
腕を広げる私に、楓さんは楽しそうに羽織を通してくれる。着物なんて着るのは七五三ぶりかもしれない。心なしか私もワクワクしてる。
異世界ワープしてるってのに、呑気だな。