狂愛彼氏


「諦めろ」


ニッと笑みを向けられて、私は、絶対に逃げられないことを確信した。


(私……一応初めて、だったよね……?)


心の中で再確認してみる。
昨日の、あの引き裂かれそうなくらいの痛みは確かに"初めて"だったはず。


(その次の朝にはまた襲われてる私って…………)


自分で思うのもなんだが、"可哀想"。


「………この状況で考え事かよ」


不機嫌そうな声に私は、我に返る。


「………何でもない」

「遥」

「ただ、自分可哀想だな、て思っただけ」


溜め息混じりに言えば、疾風は私の言葉に含まれている違う意味を察したのか、違うな、と反論する。


「違う?」

「そうだ」

「なんで?」


首を傾ければ、額にキスが降ってきた。


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