狂愛彼氏
「――――疾風っ」
「あ?」
肩越しに疾風は振り返る。
「………疾風」
「なんだよ?」
もう一度名前を呼べば、体ごと向き直ってくれた。
「………ずっと考えてた」
「何を?」
「疾風のこと」
どうして、連絡してきたのか。
どうして、キスをしたのか。
「へぇ?」
ニヤリと疾風の口元が上がる。
「私は、貴方に会ったことがあるの?」
「………」
聞かなかった方がよかったかもしれない。でも、知りたかった。
モヤモヤして嫌だから。
疾風は、私の前まで戻ってくると、後ろにあるソファーに目をやる。
「学校は?」
「………いい」
「じゃあ、座ろうぜ」
そう言って、疾風はソファーに腰掛けた。