狂愛彼氏


怖くないわけないじゃないか。
男達に囲まれて、逃げ場もなくて。


『………』


俺は、無言で女の背中と太ももの後ろに手をやって抱えあげた。
女の体の軽さに驚く。


(こいつ、飯食ってるのか……?)


疑って心配してしまうくらいに軽かった。


『っ、あの、』


俺に抱えあげられた女は体を強ばらせながら俺の胸に手を置き突っ張る。
怯えるのは分かるが、動けないのだから仕方がない。
俺は、安心させるように背中を撫でた。


大丈夫。俺は、なにもしない。
あんな下賤な奴等とは違うから。
お前を護るから。


そう込めながら、暫くすると伝わったのか大人しくなった。
体の力を抜いて俺に体を預けてくる。


何故だか、嬉しくなった。


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