私の恋した誘拐犯【完】
私はそのまま家には上がらずに、本屋へと向かった。



あまり賑わいがない商店街を抜け、一本の細い路地。



大きな坂を登りきった場所に、その本屋はある。



あまり目立つような場所ではないけれど、よくお客さんの来る本屋だ。



外観はお世辞にもオシャレとは言えないその本屋だが、とても懐かしい感じがする。



そしてその本屋の奥で



(いた…)



本に、一冊一冊丁寧に触れる洋くんがいるのだ。



その姿にはいつも見惚れて、言葉を失ってしまう。
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