私の恋した誘拐犯【完】
遅くなるなんて連絡してないし、もしかしたら心配してるかもしれない。



なんて、昨日の今日なのになんともめでたい頭だ。



私は無言で家の扉を開けた。



(なんかまるで、反抗期の子供みたい)



「…おかえり、遅かったね」



リビングを通り、自分の部屋に向かう私を洋くんが声をかける。



「…うん」



その声を無視するなんてこと、私にできるはずもなく。



洋くんの顔を見ずに頷いた。
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