私の恋した誘拐犯【完】
だけど一瞬、何故かしんとした微妙な空気が流れ。



「え、なんか私まずいこと言った?」



当然のことながらそうなる。



「あ、いや、綾瀬なんか言いなよ」



莉奈は挙動不審になりながら、たくちゃんのことを肘でつついた。



「お、おう、千織ありがとな」



「な、なにたくちゃん…素直にお礼なんて気持ち悪い」



「はぁ?」



ぷっと笑う私に、たくちゃんはいつも通りのテンションで返してくれる。



(たくちゃんはこうでなくちゃね)
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