私の恋した誘拐犯【完】
「よし、じゃあ4人で帰ろっか!」



莉奈がポンっと手を叩いて立ち上がると



「あ、悪い。鮎川とキョンタ先に帰ってくれる?」



たくちゃんは申し訳なさそうにそう言った。



(莉奈とキョンタ?私は?)



「え、綾瀬…」



莉奈が驚いた顔をたくちゃんに向けると、たくちゃんは静かに1度頷いて。



「…そっか。いこキョンタ」



「あ〜い。じゃ、またな有栖、拓巳」



キョンタが私に手を振るから、つられて手を振る私。
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