私の恋した誘拐犯【完】
たまには私もからかってやろうと、ニタッと笑って言えば、



「ば、ちが…焦ってるとかそういうのじゃ…」



意外と純粋なたくちゃんが垣間見えた。



「なに考えてんだか、たくちゃんは」



「はぁ?」



ふふっと笑う私を見てたくちゃんは「やれやれ」と笑う。



窓から見えた雲は、形を変えずゆっくりと動いていた。



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「お、お邪魔しま〜す…」



たくちゃんの部屋は思ってたより綺麗で拍子抜け。



(こんなこと言ったら怒られるだろうけど…)
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