私の恋した誘拐犯【完】
壁にはバスケットボール選手のポスターが貼られ、本棚にもバスケ類の本や雑誌が並んでいる。



部屋の中までバスケ一色とは…



「テキトーに座っといて。飲み物持ってくる」



「あ、う、うん」



(玄関に靴がなかったけど…親はいないのかな…)



玄関の靴の数、家の中の静かさは他に人がいるような雰囲気ではない。



まさか2人きりだとは…



どこに座っても違和感がありモジモジと落ち着けない。



「なにソワソワしてんだよ。自分で言っといて緊張してんの?」



ジュースを2つ手に持ち入ってきたたくちゃんが、私を見て悪戯に笑う。
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