私の恋した誘拐犯【完】
反論できず口ごもる。



「なんだよ、可愛いとこあんじゃん」



「う、うるさいな」



たくちゃんはジュースを私の前に置いて、向かい側に座った。



しん、とした空気が流れる。



(なんか話さなきゃ…)



「こ、国体終わっても部活忙しいんだね」



「んー?まぁ、そりゃ俺1年だしなあ」



次の大会もいっぱいあるし、と至極当たり前な回答。



(そりゃそうだ…)
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