忘却街の秘密の洋館
ムカつく親友







 夢。
 任務前に必ずそれを見てしまう。失敗すれば、同じことが繰り返される。その緊張が夢となるのかもしれない。


 オレが母を失った日のこと。
 もう12年。そしてオレが光魔法を受け継いだのも、その年だった。



「ゴーストなんて全ていなくなればいい」



 父は霊媒師として、母は憑代として、ゴーストを退治するというよりは導いて成仏させていた。


 2人で1組の霊媒師。街では噂になるほどの有名人。それがちょっとしたミスであんなことに……。


 オレは頭を振ってベッドから降りた。


 感情的になっては駄目だ。冷静……いや、冷酷でなければ。
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