その男、カドクラ ケンイチ



「だから言ったんだべ。
コンソメパンチじゃないと嫌だって。」


しばらくすると、誰かの声が聞こえてきた。
だんだん近づいてくる。



「そしたらあいつ、しお味じゃないと嫌だって。
だから言ったんだよ。お前昭和かよアホって。」


携帯を片手に不精ひげを生やした男が現れた。


カドクラは軽く会釈する。



「そしたら昭和の人はポテチなんて食べないって言うもんだからよ
…ちょっと待ってね。

あんた誰?」


ひげ男がカドクラを見る。


「今日からここに赴任してきたカドクラです。」



「だから俺のじいちゃんは
毎日コンソメパンチ食ってるって言ってやったんだよ。

結局コンビニにあいつ置いて帰ってきた。」



カドクラの回答をガン無視して、
ひげ男は職員室に入っていった。



(よし いい度胸だ。)



カドクラに黒酢高校時代のキレが戻り始めた。


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