【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「京香ちゃん!やっと来た…」
「創くん…」
私が見えるとすぐ創くんは手を振ってこちらに駆け寄る。
「京香ちゃん、彼氏ってどういうこと?!どんな人!?」
「優しい人…だよ」
「俺そんなの聞いてない…」
…話してないからね。
「ねぇ待ってよ!」
そんな創くんの呼びかけにも答えることなくただ歩く。
あの角だ…あの角まで頑張れば。
「セ…」
センセと言いそうになって慌てて口を閉ざす。
「君が京香に付きまとってるっていう子?」
「は…?!
俺は付きまとってなんか…」
「京香の顔見てみろよ。
楽しそうか?嬉しそうか?」
「それは…」
ちらりとこっちを見る創くん。
「っていうか誰ですかあんた」
「この子の彼氏だけど。
ごめんね待たせて?」
ふわっと腰に手を添えられ前に歩き出す。
ホ、ホストだ…ドラマで良く見るホストの話し方だ…
やっぱりセンセは間違いなくそっちの世界の人だ…