【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…


「京香ちゃん!やっと来た…」

「創くん…」





私が見えるとすぐ創くんは手を振ってこちらに駆け寄る。





「京香ちゃん、彼氏ってどういうこと?!どんな人!?」

「優しい人…だよ」

「俺そんなの聞いてない…」





…話してないからね。





「ねぇ待ってよ!」





そんな創くんの呼びかけにも答えることなくただ歩く。

あの角だ…あの角まで頑張れば。





「セ…」





センセと言いそうになって慌てて口を閉ざす。





「君が京香に付きまとってるっていう子?」

「は…?!
俺は付きまとってなんか…」

「京香の顔見てみろよ。
楽しそうか?嬉しそうか?」

「それは…」





ちらりとこっちを見る創くん。





「っていうか誰ですかあんた」

「この子の彼氏だけど。
ごめんね待たせて?」





ふわっと腰に手を添えられ前に歩き出す。

ホ、ホストだ…ドラマで良く見るホストの話し方だ…


やっぱりセンセは間違いなくそっちの世界の人だ…

< 100 / 127 >

この作品をシェア

pagetop