【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「高校生1枚と大人1枚」
やって来たのは水族館。
「あっお金…」
「良いよ。
金は男に払わせなさい」
誰かにお金を出してもらうのなんて親以外には初めてで、そんなところにも嬉しさを感じてしまう。
たとえフリだとしても…この時間は本物だと信じたいんだ。
それから色んなところを回って、ハンバーガーを食べながらイルカショーを見る。
「…色気より食い気ってか」
「えっ?」
「あんまり男とのデート中にハンバーガー食うやつはいないな…」
「…え」
食べたいもの食べちゃいけないんですか…
そんな我慢しなきゃいけないものなの?!
デートって…!
「美味しそうだったから…」
「まぁ、俺はこういう方がいいけどな。
変に気を遣われる方が疲れるし」
それは…
お世辞だとは思ってるけど、居心地がいいと言われてるような気がして胸がいっぱいになる。
もし、またここに来れたら…その時もハンバーガーを食べたいな。