日々カオス 〜私に起こるのはこんなことばかり 〜
本章 〜その4〜(ソウルツイン編)
2015年、パキスタンのカラチを旅していた時のことだ。
16歳の女の子と出会った。そして、その時から徐々にその子を拾ってきた。

ある時、占星術のできる友人が私に言ってくれた。私は双子座の元に生まれていることもあり、心の深くで自分の片割れの双子 - ソウルツインを探している。そのソウルツインを探せた時に初めて心が満たされるということを。

結果、そのパキスタンで拾ってきた女の子が、後に私にとって必要不可欠な存在となった。

彼女の名前はリーア。リーアが人生をかけた決断をしている時に、私もそれに勇気付けられて決断をすることになる。リーアが頑張っているのを見て、私も頑張ろうと思えるし、私を見てリーアは前に進んでいこうと思って生きていくことになる。まさにソウルツイン。



2014年に初めて訪れたパキスタン。

この国の世の中には、生活に困窮しすぎた人が多すぎるのを知った。そんなのを見ていたら、社会的な活動もしたくなってきた。

ちょっと社会的な活動を覗いてみたら、なんかボランティアって騙し合いのビジネスなんだね…と思えてきた。他人のことは考えているように見せても結局考えない社会構造がすでに出来上がっているみたい。レンタル赤ちゃん(どこから持ってきた赤ん坊を貸し出して、物乞いをする人の道具として使わせて、そこから利益をを取るビジネス)とか見て愕然とした。


リーアは、パキスタンの田舎からカラチという都会に物乞いのために出てきた家族の子供だ。だけど、そんな環境などを匂わせない『何か持っている』子だ。10人兄弟姉妹の6番目。今のところ、結婚していない兄弟姉妹の中で一番年長。10歳の時から、親に働きに出され、住み込みのメイドとして働いてきた。そして親に仕送りをすることを強いられてきた。

リーアとは、カラチで知り合った有名人の知り合いの家で出会った。彼女はそこでパーソナルアシスタント (要はメイド)として住み込みで働いていた。住み込み、ご飯付き、月給10,000円。

彼女は、見た目も声も仕草も性格も相当可愛い。私は「この子は将来エンターテイメントの業界で大成功する」と確信を持ち、彼女に興味を持った。

リーアは、雇用主の女性の事を『ママ』と呼んでいた。『ママ』は役者として超有名人。その国では誰もが知っている。そのレベルにまで到達するのには「大きな苦労と大きな時の運があった」とつぶやいているのを聞いた。

この『ママ』の簡単な身の世話全般を任されているのがリーアだが、彼女によると以前働いていたところの雇用主の家族の紹介で『ママ』のところに働くことになったという。働き手というよりかは、シングルマザーの『ママ』には、娘のような存在になれるパーソナルアシスタントが欲しかったそうだ。

いろいろその有名人の友達の家の事情や仕事の事情など知ることになった後、リーアの人生の冒険のことを知る事になった。結局、その有名人の友達がアラビア文字でメモを書いている様子のを見たり、私が日本語で話している時の彼女たちの様子を見ると、ああ、そういえば違う文化圏の人と人のつながりなのだったと気づきハッとする。

リーアと私はその家で本当に仲良くなった。それがその家の人たちにばれるとよくなさそうだったので、携帯電話の無料通話アプリを使って、コミュニケーションを取り続けた。

「またね、リーア。」そして私は次の場所へと旅立った。

「私は空の中いる。電話と電波があれば私は空から現れる。心配ないよ。」携帯アプリを使って、拙いウルドゥー語で彼女にそう伝えた。私が旅している間どこでも彼女と話ができた。

便利な時代だ。人も、ノウハウも癒しも、しっかり人がこころで強く繋がっていれば空からやがて現れるのだ。
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