また内緒の話




都内にある病院まで行く





「来那ちゃんだっけ?
あたしのこと本当に覚えてない?
今までで2回会ってるんだけど」



詩穂は運転しながら来那に聞く



「覚えてない」




一点を見つめながら来那は言った




俺は気になる点があったので詩穂に聞く



「2回会ってるの?
だいぶ前に飲んでた時にたまたま会ったんだよな?」



「うん、その時と半年くらい前かな?
見覚えがあってふらふらしてたから声かけたのね?
それで律の家に行きたいって言ってたから車で送ってあげたの」





なるほど



前に俺の家の前に来那が来た時だ




友達って詩穂の事だったんだ



やっと辻褄が合った





「来那はね、記憶障害なんだ
前はこんなにひどくなかった」





「んーだろうね
そんな感じした」






詩穂もなんとなく察してくれてたみたいだ







来那はひたすら泣いていた













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