また内緒の話





来那は鼻をすする音を出す



来那も泣いてるのかな




すると






「りつぅ……」





小さな声で俺の名前を呼んだ



「ん?」






「私が覚えてる恋はりつが初めてだよ
これから1日で記憶が無くなったら
ずっとりつに初恋するのかな?」






「そんな悲しいこと、言わないでくれ」







来那は強い子なんかじゃない



わかっていてもどうしても



来那に頼ってしまう






俺は来那の体を離し




キスをしようとした






「……っ!」




来那は避ける





俺は何も考えずただ来那とキスをしたかっただけだけど




「ごめんりつ、
キスしたの覚えてないから」



と来那は声を震わせて言った



「……目、閉じて」



「……うん」




俺は優しく来那にキスをした



ゆっくりと、何度も唇を重ねる






「りつってやっぱあったかいんだね」





来那はおでこをくっつけ言う



「まあ、来那が寒がりだからな」



「嬉しい…」




そう言って来那はまた俺に抱き着く





























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