また内緒の話
すると
ブーーブーーブーー
と来那のケータイが鳴った
来那はケータイを出す
「お兄ちゃんからだ」
そう言って来那は電話に出た
「もしもし?……うん
多分りつが電話掛けた
……後で話すね…ばいばい」
来那は電話を切り
「りつ、ありがと」
来那は立ち上がり俺に言う
海さんにも事情説明しないとダメだし
来那を家まで送ろう
「じゃあ、行こうか」
来那の家まで送る
やっぱ俺には来那が必要だ
来那に俺の人生あげるって言ったけど
本当にその通りかもしれない
来那がいないと俺は生きていけないのかもしれない
来那の家の前まで来る
ドアの前で来那はもう一度俺の方に体を向けた
「また明日連絡するね」
「……うん」
来那の引きつった笑顔が逆に辛かった
「じゃあね」
「おう、また明日」
来那はゆっくりとドアを閉めると同時に
ぽっかり穴が空いたような虚しさが足取りを重くさせた