また内緒の話




来那の部屋でセックスをした



来那の初めては俺だ




来那の記憶は俺しかないはず



今は二人でベットに寝ている




来那は俺に抱きついている




「りつ、ありがとね」



とお礼を言われる



「なんで?」



「私、多分前にも彼氏いたのかも知れない
けど、メモも日記も書いてないってことはさ
そんな大した人じゃなかったのかもしれないね」


来那の部屋は来那の記憶そのものだと思っていい


忘れちゃいけないことを大きくメモしてあるから



「来那」


「ん?」


「なんで記憶障害になったの?」



元からか?それとも何かがあったとか?




来那は俺を抱く力を強くする





「中学2年の頃までは覚えてるんだよね」




来那は目を瞑りながら言う



「なんで中学2年?」


「私にもわかんない
けど、中学2年の頃に
虐待されてた記憶がある」


「虐待…?誰に?」



「両親から」




……両親?



「マジで?」


「うん、その記憶だけはある」


「何されたか聞いてもいい?」



「……うん」




来那はためらいながらも答えてくれる




「暴力が多かった」



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