また内緒の話
ん??
え??それだけ??
「え、待って、それだけ?」
秘密って記憶のことだよな?
「はあ?それだけじゃないでしょ?
なんで私の気持ち考えないで軽々しくバラそうとするの?」
ガチギレなんすけど…
「バレちゃまずいのか?」
「まずいとかじゃなくて
私が嫌なの」
「だからなんで??」
「だって、障害持ってる人と仲良くなりたいと思う?」
ばかやろ
「それは違うぞ来那」
「…なに?」
「来那は障害持ってるかも知れないけど
それ以前に一人の人間なんだから関係ないよ」
俺は来那に優しく言う
「関係なくないよ
思い出を残さない友達なんて……」
「本当に来那と仲良くなりたい人は
来那に秘密にされる方が辛いんだぞ?」
俺が実際そうだった
来那に内緒にされて嫌な気分になったし
「……そうなの?」
来那は覚えてないかな?
俺が来那に怒ったこと
だから来那はわかんないのかな?
「来那を大事にしてくれる人は
どんなことがあっても記憶を残さなくても来那のそばにいるよ?
少なくとも俺がそうじゃん?」
俺は来那の頭を撫でる
「……本当にそう思う?」
「来那の記憶のこと知ってる人は?」
すると来那は財布から一枚のメモを取り出した
「……病院の先生と学校の先生と
あと、店長、お兄ちゃん、りつ」
店長も知ってたのか
まあバイトの面接とかで言わなきゃいけないだろうしな
でも、その人たちはみんな共通してるよな
「うん、
来那の記憶は、本当に来那を大事にしてくれた人しかいないはずだよ
来那の秘密知って、友達やめるようなやつがいたらそんなやつ忘れちゃえばいいんだ」
「……そうだね」
来那は少し微笑む
ちょっとは納得してくれたかな?
「わかった?」
「うん、あとでメモするね」
よかった
納得してくれたんだ