溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
彼の切なげな声を聞き、離れられなくなってしまった。


「初めてなんだ。誰かと一緒にいたいと思ったの」

「大成さん……」


彼は背中に回した手に力を込める。


「澪の言葉で目が覚めて、澪の励ましで自分の気持ちがはっきりとわかった」

「気持ち?」


なんだろう。


「俺、俺から自由を奪った親父をずっと憎んでた。だから、あとが継げなくたって、別にいいと思ってた」


たしかに彼はパーティで、『すべてを捨てる』と言い放った。


「けど、本当は仕事が楽しかった。学生の分際だったし、まだたいしたことはしてないけど、自分の手でアルカンシエルの未来を作れるのがうれしくてたまらなかった」


アメリカで、海外展開の手伝いをしていたとは聞いた。
おそらくそれのことを言っているのだろう。


「それなら、あとを継いだらいいじゃないですか」
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