溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
一つひとつの動作がスマートで、エスコートしてもらったことがない私は、ドギマギしてしまう。


「今日から澪の部屋だから、遠慮はいらない。困ったことがあれば言って」

「はい」


大成さんは玄関に私を入れると、優しく微笑む。
リビングのドアを彼が開けてくれた瞬間、あんぐりと口を開け、固まってしまった。


「大成さん?」


驚きすぎて声が裏返る。
目の前にピアノが置かれていたからだ。


「ごめんな。グランドピアノはやっぱ大きすぎて無理だった」

「え……」


ピアノがここに存在するだけで顎が外れそうなのに、グランドピアノを用意しようとしていたの?


「ちょっと待ってください。このピアノって……百五十万以上しますよね。ホントに、買ったんですか?」


このピアノは、グランドピアノのタッチ感にこだわって作られていて、鍵盤も同じ木製鍵盤。
小さいけれど、性能はグランドピアノにかなり近い超高級ラインだ。
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