溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
どうしたっていうの?


「澪のこと、好き、だよ」

「えっ……」

「大切にしたい人だ。そうでなきゃ、もう抱いてる」


大成さんの真剣な眼差しに、心臓がバクバクと音を立て始める。


「ま、まだ、出会ったばかりですし……」


政略結婚がしたくなくて、錯覚しているだけだよ?


「そうだけど……」


彼はそこで黙ってしまった。しかし、私から目を逸らそうとしない。


「おかしいのか、俺の感覚」

「へっ?」


突然わけのわからないことを言い出すので、間抜けな声が出てしまった。


「中野さんにナンパの仕方も教えてもらって、それなりに女の子と遊んだこともあるし、付き合ったこともある。けど、こんなに壊したくないと思った女に会ったことはない」

「壊したくない?」


どういう意味?


「澪は俺の心に平穏を運んでくれる。それなら俺も、お前を守りたいと思うし、絶対に泣かせたくない。傷ひとつつけないように、俺の腕の中に閉じ込めておきたい」

「大成さん……」
< 137 / 363 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop