溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「澪、俺に言ったよな」


なに、を?


「『随分物わかりがよろしいんですね。自分の人生ですよ?』って」

「あっ……」


たしかに言った覚えはある。


「もし、立場的にふさわしい人がいたとしても、俺のここは、澪を求めてるんだ」


大成さんは自分の胸をトンと叩く。


「物わかりなんてよくなりたくない」


彼は私をじっと見つめて、切なげな声で囁いた。


「なぁ、澪」


彼は私の手を取り、指先に唇を押し付ける。
そんなことをされたことがない私は、瞼をパチパチとして声を出すことすらできなくなる。


「俺のそばにいて」


少し困ったような顔をしてつぶやく彼は、真剣そのもの。
とても冗談を言っているようには思えない。

そんな彼に、たちまち胸が疼きだす。

そして私は、コクンと頷いた。


彼への気持ちが恋なのかどうかはわからない。
けれど、もっと彼のことを知りたいと思ったからだ。

私の心も、彼を求めていた。
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