溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「澪」


『好き』の二文字をどうしても言えないでいると、彼は柔らかな笑みを浮かべ私の名を呼ぶ。


「俺のここ、どうしても澪が欲しいって言ってるんだ」


大成さんは私の手を、自分の胸にあてさせる。


「澪は俺のことが嫌い?」


私は即座に首を振る。
嫌いなわけがない。嫌いだったらここにはいない。


「それなら、好き?」


うっかりうなずきそうになる。
でも、あの華やかなパーティを見たでしょう? 私がいるべき世界じゃない。

自分に釘を刺し、唇を噛みしめる。


「澪の考えていることはだいたいわかるよ」

「えっ?」

「どうせ、立場が違いすぎるとか思ってるんだろ?」


まったく図星なことを言われ、目を見開く。


「だけど、澪が言ったんだよ。自分の人生、どうしたいか叫べって」


彼はそう言いながら私の頬に優しく触れる。


「俺は叫ぶよ。澪が好きだって」


彼の言葉に胸が震える。
自分の意見を主張してこなかった彼が、そんなふうに言うなんて。
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