溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
大成さんは私の返事を聞いて、首を傾げる。


「それなら、俺も行きます」

「私ひとりで大丈夫です」

「俺も担当ですから」


結局、一歩も引かない大成さんと一緒に、客室に向かった。


「佐藤って、どんな客?」


従業員用のエレベーターでふたりになると、大成さんが口を開いた。


「一カ月に一度は使ってくれるお客さまなんだけど……いつもなにかしら文句を言われるの」

「クレーマーか」


私は小さくうなずいた。


「大きな商社の重役さんみたい。仕事でストレスがたまってるんじゃないかな」

「商社、か。なんていう会社かわかる?」

「えっと、たしか……大東(だいとう)商事、だったかな」


前にクレームを受けたとき、『大東商事を敵に回すつもりか』とかなんとか言われた気がする。


「大東の佐藤……アイツ、か」

「知ってるんですか!?」
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