溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
驚いた。まだハウスキーパーとして働き始めて間もない人の言葉とは思えない。
だけど、その通りだ。


「ですが、人間がやることです。もしかしたら過失もあるかもしれません。ですから私たちは、こうして謝罪に参りました」


その堂々とした姿は、将来の社長の資質をうかがわせる。


「だからだ。だから、部屋を変えろと言っている」

「佐藤さまは、毎回だとお聞きしましたが」

「それは毎回なにかしらの問題を起こす、お前たちが悪い」


佐藤さまは怒りをヒートアップさせるだけで、まったく引く気配がない。


「商売には、需要と供給、両側面があります。双方が納得して初めて、取引が成立します。私どもは佐藤さまの需要にはお応えしません。つまり、取引失敗です」


そんなこと、勝手に……。
焦ったものの、大成さんも引く様子はない。


「佐藤さまは、将来大きな会社を背負われる方だとお聞きしました。従業員がこの姿を見て、あなたについていきたいと思うでしょうか」
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