溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
あぁぁ、そんなことまで……。


「失礼なヤツだ。ただのハウスキーパーが、客に向かって!」


佐藤さまは怒りに任せてベッドを思いっきり蹴とばした。


「ハウスキーパーであろうが、マネージャーであろうが、アルカンシエルを大切に思い、お客さまに楽しんでいただきたいという気持ちは変わりません。どうしてもお楽しみいただけないのなら、お引き取りください」


まずい展開だ。
大事になってしまった。……と思いつつ、大成さんの筋の通った言葉に、心の中で拍手していた。

それに、私たちハウスキーパーのことをそんなふうに言ってもらえてうれしかった。
私たちはたしかに陰の存在。
しかし、アルカンシエルにいなくてはならない存在だと、プライドを持って仕事をしているからだ。


「なんだと! お前では話にならん。マネージャーを呼べ」

「それには及びません。マネージャーには私が報告します」


大成さんは冷静に言葉を紡ぐ。
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