溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
大成さんの言葉がうれしかった。
私が彼に伝えたことをきちんと理解してくれている。

リピーターでなくても、どのお客さまも同じように大切なのだ。


掃除道具一式を持って戻ると、大成さんはすでにバスルームにいた。
それなのに、佐藤さまの姿がない。


「佐藤さまは?」


怒って帰っちゃった?


「頭冷やしに行ったんだろ」

「なにがあったんですか?」


私がいなくなってから、なにを話したの?


「別になにも。時期社長がクレーマーだとわかったら、取引先も考えるでしょうねと言っただけ」

「ちょっと!」


それって、脅しじゃない。


「だって、本当のことだろう?」


それはそうだけど……。


「ほら、洗剤よこして。ピカピカに磨くぞ」


彼が掃除をしている姿は、いまだに慣れない。
洗剤とスポンジを差し出し、私も一緒に掃除を始めようとした。
でも、体の大きな大成さんだけで満員御礼だ。
< 199 / 363 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop