溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「大成さん、あのね。大成さんはやっぱり——」

「俺、気がついたんだ」


『元の仕事に戻って』と言おうとしたのに、彼は遮りそう言った。


「なんですか?」


彼は優しい手つきで髪を梳いてくれる。


「親父が必死に守ってきた会社を、他人任せにしたくない」

「それじゃ?」


その発言に驚いて、思わず離れ顔を見つめる。
すると彼は、小さく頷いた。

本来の仕事に戻る決心、そして宿命を受け入れることに踏ん切りがついたんだ。


「だけど、もちろん澪との未来もあきらめたりしない」

「……はい」


もう一度彼に抱きつき、うれしさに胸を震わせる。

大成さんはやると決めたからにはやるだろう。
私は彼との未来を信じて、待っているだけ。


「もう少し待っててくれるか?」


私の背中に回した彼の手に力がこもる。


「もちろん、です」


声が震える。

彼は大きな決断をして階段を一段上がった。
喜びがこみ上げてきて、感動が止まらない。
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