溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「ありがと、澪」


私とは対照的に、彼は落ち着いたトーンでつぶやく。
覚悟が決まって、心穏やかなのかもしれない。


「大成さん。……信じてます」


私はそのひと言に気持ちのすべてを詰め込んだ。

あなたのその決断は、必ず幸せな未来につながる。
私はそう信じてる。


「煽るなよ。我慢が利かなくなるだろ」


時々ちょっかいをかけてくる彼は、いつもあまり我慢しているようには思えないんだけど……。
そんなことを考えていると、彼は私をそのままソファに押し倒す。

あれっ、本格的にまずい雰囲気?


「澪」

「……はい」

「お前に出会えたから、俺は正しい道を歩いていける」


幼少の頃、自分の気持ちを押し殺してきた彼は、あとを継ぐことを『正しい道』と口にするのにちょっと時間がかかったかもしれない。
けれど、彼はもう見失ったりしない。

言葉がすぐに出てこなかった私は、大きくうなずいた。


「まったく。澪はいつも俺の心にするっと入ってくる」
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